水晶の群生地(庭球CP無し)

□放送室の王子様
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どこの県のどこの学校にもある、のどかな昼休み。
今日も四天宝寺中男子テニス部のレギュラー陣は、屋上に集まってお弁当を広げていた。
二人を除いて。

千「あれ?謙ちゃんば見当たらんとね。(ついでに白石も)」
小「多分、アレね。」
銀「そうか、今週は謙也の番か…。」
千「???」
全く意味が分からないといった雰囲気の千歳に、健二郎が教えてあげた。
健「あー、千歳は来たばっかで知らんか。まぁ、『お昼の放送』やな。謙也放送委員なんやわ。」
謙也は一年の頃からずっと放送委員に所属しており、機材の扱いや番組企画は誰よりも手慣れている。
その功績が校長に讃えられ、レギュラー番組を与えられたのは二年の秋だった。
金「めっちゃオモロいでぇ、ケンヤの番組!」
今年入ったばかりの金太郎がこれほど絶賛するのだから、相当なものだろう。

千「へぇ…それは楽しみばいね。」
光「スピーカー越しに謙也さんの美声が…」
一「キモいで。財前」
ポジションがいつもと真逆になり、光はむくれてそっぽを向いた。


時計の長針が6を指した。

金「あ、始まるで!」

〜♪〜♪〜♪〜♪

扇情的なトランスをOPに、タイトルコールが響いた。
謙『はいどーもー!今週も始まりました、「忍足謙也の昼時ラジオ」!!
パーソナリティはこの俺、忍足謙也こと浪速のスピードスターでお送り致します!』
?『逆やがなー(笑)!』
謙『あら、ゲストさんに突っ込まれてもうた。』

周囲の生徒から爆笑が起こる。
「今週もやらかしてくれるなぁ。」
「謙也先輩の声や!めっちゃかっこええわぁ。」
「期待してんでー」

千「すごい反響っちゃね…」
健「な?他の委員よりも謙也は場数が違う」
銀「それに、アイツの人間性は全校が信頼しとる…」
銀は、両の瞳に慈愛を湛えて呟いた。


ところで、白石部長はどこに行ったのでしょう…?

謙『それでは、本日のゲストに登場してもらうで。こいつや!!』
?『俺の連続小説読んでくれた?学校新聞は紙飛行機にしたらあかんでぇ。』
全員「あの声はーーーーー!!??」

そう、そのゲストこそが…
我らが聖書、白石蔵ノ介その人だった…。

全員「何やってんのーーーーー!?」
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