転がる黒真珠(庭球・高校生)

□支え
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《3番対5番 総入れ替え戦》


入江率いる3番コートは、D2でまさかの黒星を喫した。
同じ高校生ではなく中学生に。

「忍よ…落ち着いたか」
「十次郎か……」
芝生に腰掛けて呼吸を整えている忍を見つけた時は、正直安心した。
この試合の責任者である以前に、この真面目な男が思い詰めて馬鹿な行動に出る事の方が俺には脅威だった。
「松は……?」
「心配するな。じきに落ち着く。」
こんな時でもこいつは、自分より相方を気遣うのか。
「中学生に負けるという醜態を晒したんだ。……どう落とし前つければ良い?」
「そう卑屈になるな。外道も言ってたぞ。
『忍がいてくれなければ、あの4ゲームも危うかった』と。」
苦しそうに言葉を紡ぐ忍の横に座って、頭にタオルをかけてやる。
頭に影が出来た事で彼も安堵したのか、呼吸も少し穏やかになった。
「お前は神経を使いすぎなんだ。もっと力を抜け。」
「ああ……かも知れんな。」
「大丈夫だ。お前の精神が折れていない限り、お前はまだやれる。」

周りをよく見ろ。
お前は一人じゃない……


《END》


初めての新テニです!
鬼先輩の口調分からん…
拙い物ですが、楽しんで頂けましたら幸いです。
若旦那お疲れ様!!

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