妄想の小部屋

□眠れない夜は(中,剛)
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中居には秘密がある。誰も知らない、誰にも言えない。
唯一その秘密を知っているのが剛だった。

その秘密とは、夜、”お話”をしてもらわないと眠れないということ。
…しかも剛の声で。

きっかけは単純なことだった。中居が仕事の詰め込みすぎで軽い不眠症にかかったとき、夢の世界へ誘ってくれたのが、たまたまテレビで流れていた剛の声だったのだ。
それ以来中居は眠れなくなると必ず剛に”お話”をしてもらうようになった。

こんな事、誰にも言えるはずがない。正直、最初剛に”お話してくれ”と頼むのに一週間はかかった。
剛は最初こそびっくりしていたが、すぐにいつもの笑顔に戻って”そうゆうことなら”と協力してくれたのだ。
だから他の人間なんかに言えるはずがない。大体この年になって”お話がないと眠れませ〜ん”なんて恥ずかしすぎて、口が裂けても言えない。
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