笑え。

□三章
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「はい、どうぞ」

にこにことしながら、布団をめくり上げ俺が寝転ぶのを待つ

よく考えてみると、布団に入るのも何日振りだろうか…

「あれ?素直ですね?あ、わかった!実は眠たかったんでしょう!」

な〜んだ!と嬉しそうに俺に布団をかける
どうしてそう嬉しそうなのだ

三成「…………?」

掛け布団を掛けた時にフワッと優しい匂いがした
さっきもこの香りがしたな…

三成「何の匂いだ」

「はい?」

三成「お前から香りがする…」

あいつの腕を掴み自分に引き寄せた。そう、この香りだ

「あぁ、ボディクリームですか?」

三成「…?ぼでぃ…なんだそれは」

「あっ!そっか…これは英語か…えっと…身体に塗る…保湿用の…あれです」

三成「あれとはなんだ」

「クリームってなに?クリーム…」

三成「お香とは違うのか」

「あれは火をつけて煙で香り付けするんですよね…えっと…わかんないんで…」


ゴソゴソと懐から何かを取り出し、手のひらに出して見せた白いもの


「これがクリームです」

匂ってみると確かにその物体から香りがする


「この匂い気に入ったんですか?」

三成「………違う」

「いい匂いですよね。私この香り好きなんです!」

三成「違うといっているだろう」

「塗ってみますか?」

三成「………好きにしろ」


はい!と笑顔で俺の腕をとった
本当にこいつは…何を考えているのか理解出来ぬ

「こうしてマッサージをすると、疲れも取れますし、眠気もくると思いますよ」

三成「まっさーじ、とは何だ」

「あっ、そっか…整体みたいなものです。揉みほぐし?」

三成「…そうか」

確かにまっさーじ、とやらは
気持ちがいい。
先ほどまでの腕のだるみが
解されているようだ

「はい反対もしますよ」

三成「……ああ。」

「ふふふ」

何故だか分からんが…この香りに包まれると安心する

ゆっくりと眠気が来ているのがわかる…頭がボーッとしてきた


「三成さんお疲れですね。いつも気を張ってくれているですもん…こんな時くらいは安心して、ゆっくりと眠ってください」

三成「…………そうはいかん」

「だいじょうぶですよ。明日私も手伝います」

三成「……何も出来んだろう」

「そうかもしれませんが、やりますから。今はゆっくりと休んでください」

三成「……約束しろ」

「はい、約束です」

三成「……明日も手伝うのだぞ」

「はい、お休みなさい」

三成「………あぁ」








腕も身体も温かくて
いい香りに包まれいて
何故か安心して眠れそうだ


瞼がゆっくりと降りていく
脳の働きも低下して
夢の中へと落ちて行った





名無し…未来から来た娘…
不思議な奴だ…








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