短編集

□コワイロヘンゲ
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鳥声「んーー....」

寝返りをうつ俺
窓からの光が眩しい

そろそろ昼頃だろう






は?寝返り?



鳥声「 名無しさん!? 」



実は 名無しさんが来てから
一緒に寝ている












『わたしは一階で寝かせてもらいますので』

まだら「僕たちと一緒というわけにはいきませんし、すみません。お布団敷きますね」

『手伝います』


鳥声「.....俺の」

まだら「ダメです」

俺と一緒に寝ればいいのに
とは言わせてくれないまだら


















『ありがとうございます、おやすみなさい』

まだら「はいおやすみなさい」

鳥声「....オヤスミ」








二階にあがり
眠りにつこうとするが





鳥声「眠れない」



キミはここに来て
ずっと笑顔だ
何もかも珍しいのたろう

それにしても
ひとりで大丈夫なのか



ひとり





あ、そっか
名無しさんはひとりなんだ


一階でひとりとかではなく
ここではひとりなんだ

両親
友達
近所のみんな

ここにはいないのか

みんな知らない人で...

俺が守ってやる
俺やまだらがいる
から寂しい想いはさせないさ

でも

もし俺なら.......
不安だろうな

目をつむった瞬間
真っ暗の中でひとり





鳥声「もっとはやく気づけよ!」




俺は階段を急いで降りた









キミの寝ている部屋についた
そこでみたのは

布団に入りぐっすりと寝ている
君ではなく

窓にもたれかかり
月に照らされていた
キミだった

また後ろ姿だ
また顔がみえない

今回は夢とは違う
キミはここにいる

俺が一緒にいてやる

だから


『うわっ...』


泣かないでくれ


俺はキミの腕を掴み
こちらに向かせた


鳥声「.........」

驚いた顔のキミ


『どうしたんですか、鳥声さん?』


だがキミは泣いてはいなかった



鳥声「ごめんひとりにして」


『え?あ、だいじょうぶですよ』

ふにゃりと笑うキミ


鳥声「寝るよ」


俺はキミを抱き上げ
二階へ上がる


『あららら?鳥声さん?』


鳥声「一緒に寝るの、わかりましたか?」


『…は、はい』


一緒に布団に入り
温もりを感じる

とても心地のいい香り

キミの方を向き
肘をつき、お腹をポンポンと
してみる

そうすれば、目をつむっても
ひとりじゃないことが
わかるだろう

するとキミの目が
トロンとしてきた

よかった


『鳥、声...さん ありが....とう』


鳥声「どーいたしまして」












このことがあってから
必ず一緒に寝ていたのに


キミがいない






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