笑え。

□二章
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それから再び三成の部屋に
戻ることとなった

名無しは泣き止んだはいいが…





「いつまでそこにいるつもりだ」




胡座をかいた三成の後ろから
出てこようとしない

そんな様子に三成はため息しか出ない

なぜ三成の後ろにいるか
それは…


左近「あはは、もう痛いことはしませんよ」

先ほど捕らえられた島左近がいるから警戒しているらしい、が


「お前が一番怪しいのだ。普通の事をしたまで」

「それにしても未来からとは…そんな御伽噺のような事があるんですね」

「いい加減は離れろ!」

『やだ』

「貴様っ!」

「まぁまぁ、殿。嬢ちゃん、名は?」

『……………』

「あら、嫌われてしまいましたか。あははは」


睨まれても全く気にしない左近
それより今の状態を楽しんでいる
ようにもみえる

だって、あの殿が
みんなから冷静沈着と言われているあの殿が、何事にも興味を示さない殿が…


「名ぐらい名乗れ。礼儀であろう」

『……………』

「返事をせんか!」

『……はい』


表情をころころとかえ(ほぼ怒ってる)面倒をみている


『………名無しです』

「名無しか、いい名だな」

『………ほんと?』

「あぁ。珍しい名だ。さっきは悪かったな、あれも仕事なんだ分かってくれ」


にこにこと話す島左近に名無しは驚き、三成の背中から前へ出た


「俺は島左近。よろしくな名無し」

よろしくな。といわれ
やっと認めてもらえた気がして
パアッと笑顔になる名無し

「なんと単純な…」

莫迦にしたような声も聞こえるが
気にせず、よろしくお願いしますと頭を下げた



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