novel
□ENDRESS
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俺は魔法界最大の罪を
犯してしまった
ある人の「 心を壊した 」
その人は俺にとって
とても大切な人だったのに・・
自分でもその時何をしたのか
理解できずにただ戸惑っていた
ただ・・ただ・・
その人は穢れていく俺を
いつも見守り
裏で俺を支えてくれた
その人はチェルジェさん
両親が死んでから
唯一俺を守ってくれようとした人
だった・・・
でも俺はその愛を嫌い
憎みさえした
俺が悪菟に入り
周りから睨まれた時さえ
チェルジェさんは
優しい目で俺をただ見つめていた
俺は・・こんな俺でもそのように
接してくれるチェルジェさんが
大好きだった・・・
いくら心が腐っても
いくら光を失っても
俺自身が俺の心から
チェルジェさんを消すことを
許さなかった
俺は自分がしたことに
あの時と似た強い恐怖を感じ
ただただ生きる灯火を
サガシモトメテイタ