novel
□ENDRESS
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俺の魔力は強い
両親の血をヒイタカラ?
俺自身も分からないが・・・
皆俺の才能と多大な魔力を
羨ましがっていた
両親がいなくなった今
悪の手から守ってくれる
存在はいなくなった
「どうだい君私達の仲間に
ならないか?君なら・・
大歓迎するよ。」
そう悪菟の連中は言う
悪菟というのは魔法界での
「罪深きもの」だ・・
人間界で言う「犯罪者」だ
ヤツらの魔力は未知数
頭はいいが残酷で情のない
ー 真の「罪深きもの」だ ー
俺はそのように
何度も誘惑されるうちに
心に何かが住み着いたのか
それが何かもわからずに
・・こう答えてシマッタ
「なってやってもいい・・ゼ」
その言葉が悪に染まる
瞬間の言葉だったと
俺はその時まだ知らず
それに気づく心を
失った瞬間だった
これが俺の
悲しい世界の始まりだった
それから盗みばかりを働いた
普通の盗みではない
人の幸せ・情・優しさ
という心のカケラばかり好み
盗んでいた
心のカケラを盗まれた人々の
苦しみに似たものだけが残る
心のカケラが放つ輝きが
そのときの俺には何よりも
大切な宝だった
そのうち俺は他人の
心のカケラ無しには
生きられなくなっていた
アラユル他人の心の屍の上に立ち
魔法界に君臨していた・・・
こうして俺は皆に
魔法界最高峰の犯罪者
「 ENDRESS 」
そう呼ばれるようになった