ぶんしょう
□こんな日が。
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「ちょ、…ちょっとトマトクン!? 僕の意思は完全無視なの!?」
無反応。
さて、この大きな子供独裁者を、どうしたものだろう。
マリアローズはため息を零した。
それが、3時間くらい前のこと。
そろそろ、足も痺れが感じられないくらいの度合いに達してきた頃合いだ。
「トマトクンー、いい加減起きてよぉ」
返事は無く、ただトマトクンの呼吸だけが鼓膜に浸透する。
「逆に僕がひざ枕とか、抱き着いたまま寝るとか、倒れ込むように眠りこけるとか、してみたいよ一回くらい…」
ホントに、人の気も知らないできみって奴は…。
マリアローズが、他に人がいないのをいいことに、呟く。
突然もそもそと、気持ち良さそうに眠りこけるトマトクンが寝返りを打った。
そのまま、なぜかきゅっと抱き着かれ、そのまま地面に背中からダイブする。
「あ、ちょっ…と、トマトクンってば!」
じたばたじたばた、決してささやかとは呼べない抵抗を試みるが、トマトクンはピクリとも動かない。
「あーもう…」
サフィニアに見られたらどうしよ。
マリアローズはちらりとトマトクンの寝顔を盗み見た。
―――――やば。
ホントどうすんだろ、これ。
マリアローズはほとんどお手上げ状態で頭を掻いた。