感情のジグソーパズル。

毫末な誤解と誤認。
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流石ツェリ様…とぐるっと見渡す。私は勝利に腕を組まされゆっくり辺りを見渡す。海上パーティーでここまで大きなものは初めてだ。
ツェリ様に挨拶を済ませた私達は有利が見える位置で談笑をしていた。



入り口からあの人が入って来るまで……






「お、とうさん…と……主…」




優しく手首を引かれ柱の影に移動する。勝利を見上げると、困った様に笑っていた。
私は勝利の手を頬に当て涙をこらえた。



二人が並ぶと貫禄がある。


それ相応に見えてしまうから。





わかってた筈なのに悲しかった。







「勝利…気にしないで有利の傍に居なよ。私は…ちょっと休むわ」


「…なら部屋に戻るか?」



「…一人で平気」


そう良い歩きだすと強く腕を引っ張られ抱きしめられた。
この心音、温もり…


「今はお前を一人にしたくない。確かにゆーちゃんの傍にも居たいが今はお前が優先だ」


「有利が最優先じゃなかったの?」


ボソッと言うと勝利が私を抱き上げる。



「当たり前だ。お前だって俺の可愛い妹みたいなモンだ」


「あははっ…いつから妹なのさ」





ギュッと首にしがみつく。




「勝利………酔った事にしてね」



「あぁ…」











稀に…ふと、突然。自分の家が物凄く居心地が悪く感じる。
吐き気をしそうなぐらい…

でも、外に住んで納まるかと言われたら違う気がする。


心が二人を求めて、拒絶しているんだ。






足を踏み出し揺れる感覚が心地好い。





「かつん…かつん…かつん……なんか紳士的」


「何言ってんだよ」


「……勝利の前では良い娘で居なくても良いんだよね…我が儘な千代で良いんだよね」


「あぁ…」






ベッドにそっと下ろされ布団をかけてくれる。
靴…と言えば脱がせようとしていて首をふった。



「えっち」


「ばっ…タオル冷やして来るからな」





くすくす笑いながら、勝利を見送って靴を脱ぎ足を摩る。

浮き上がる痣。
紫色で爪が死んで白くなっている。

手を息であっため、足を摩る。




身体の調子が悪いと浮き上がる紫色の足。



髪の毛を解き耳にかける。






「気持ち悪い…」




笑いながら摩る。
その手に力が入る。




涙が落ちて、下唇を噛む。






勝利がいつの間にか隣に居て抱き寄せてくれる。

足を見て、髪の毛をグシャッとする。




「包帯貰って来るから寝てろ」


「大丈夫…ヒールから見えたらおとうさんに聞かれるから」


「…」





そっと、勝利の手が足をさすってくれてくすぐったい。


「や、やだ…しょ、りっ」




「はー…やっぱり―…」








バッドタイミングで入って来たのは勿論私のオトウサン。
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