感情のジグソーパズル。

できるコト。できないコト。
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「わぁぁ…ここが…ちきゅう?」


髪の毛をまとめあげ、薄紅色のリュックをしょい込み、黒と白のストラップのワンピースを靡かせ目を大きく開いて輝かせている少女。
白い薄手のカーディガンを着て、小さいきれいな桃色の艶のある小さな爪。その幼い指はリュックのバンドをギュッと握っていた。


「あぁ、千代!走るな!」




後ろにはカジュアルな服を着ている人が心配そうに見ていたが、痺れを切らしたのか少し声を荒げたが少女には半分も伝わらなかっただろう。

「はやくーぐーぇん〜」


不愉快窮まりない。
いや、少女が言うことを聞かない事ではない。
少女は実に愛らしい、ああ、目に入れても痛くないだろうに。それぐらい愛らしい少女に拍車をかけた服装、ワンピース、黒と白の色違いハイソックス。黒い光沢のある靴。あぁ、愛らしい。

だが、彼はいつも不器用ながらにもなにか一言言うのだが言えなかった。そう、素直に褒められないのはプライド?いや、男としては…だ。その根本は4時間前の事だ。


















彼が目を覚ますと、急な不安にかられ隣を見るとまだ少女は無邪気に寝ていた。
すうすうと寝息が聞こえ、そっと額に無意識にキスをしていた。数秒して、恥ずかしくなり額を押さえ赤くなる。「何をしているんだ」なんて呟く。



「…ぅ?…んーっぐうぇん!おはよっ」



「あ…あぁ、おはよう千代」


頭を撫でられ嬉しそうに微笑む千代。
目をこすり、ハッとしたように彼を見つめる。



「ぐうぇん!なにしてるの!早く!じゅんびして!」


「準備?」



首を傾げたような声に、じれったいと言わんばかりに急かした口調でいう。


「今日!いくの!しょーりのところ!はやくっはやくっ」


「あぁ、そうだったな」


有利のところじゃなかったか?なんて思い口を開こうとするが、ぴょんとベッドから下りてドアの前まで行き振り返り満面の笑みを向ける。




「千代ね、しょーりに服とかもらったの!だから、ちきゅうに行ってもしんぱいないよ!」






バタンッ











「何だと…?」








追記になるが、彼は一度も少女に服や他もあげた事が無い。少女の一式はアニシナ達が揃えたモノだから。




「勝利め…っ」













数十分後、食事で顔を合わせ「かわいい?にあってる?」と連呼され複雑になるのだった。

そして、文頭に戻る。
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