感情のジグソーパズル。
□嫉妬する夕暮れ
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「私は帰らなきゃならないんです。主の傍をこれ以上空けられませんから。それとも、力ずくでも止めろと?倪下の考えそうなことですね。大方ウルリーケが話したんでしょうね」
「…どうして眞王陛下の為に千代嬢が消えなきゃなんない!?」
「主に尽くせないで死ぬなら主の為に死ぬほうが幸せな事だから」
貴方なら解るでしょう?
私はもう後悔したくない。
独りに戻りたくない…寂しい思いをするくらいなら全て主に捧げる。
どうしてそんな寂しそうな顔をしているの?
やめて…やめてよ!
私が悪いって言いたいの?
間違ってるって言いたいの?
「…千代嬢……どうして俺達が選ばれた解りませんか?」
「え?」
捕まれた腕。
捕まれた肩。
その目が怖いの。
フォンヴォルテール卿……また…私に苦しめと言うのですか?
「酷い……し…ん…お……」
身体が墜ちていく。
羽が重いんだ。
思い出される幸せな日々。
苦しい…苦しいよ……
暗闇が来る。
ミツケタ
って嘲笑っている…嗚呼、羽が…痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ焼ける焼ける…お願い…やめて…
胸が裂けそうで、身体が裂けそうで…身体のなかには劇薬が走り回る。
また、私は…独り……
そんなをしないで…
言わないで…
言わないで!捨てないで!
もう……独りは嫌だよ…
絡み付く蛇。
両手を足首に繋がれ私はもう何も出来ない。
鉄格子の向こうには貴方が談笑する声…
新しい白い聖霊天使。
もう…私はいらないんだ。
役立たずだから。
力が無いから。
私は不良品だから。
もう、存在価値なんか無いんだ。