★弁護士・梨央の甘い誘惑★

□弁護士VS検事+秘書(製作中)
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「…眠い。ダルい…あ〜イヤだー」

「兄さん…営業妨害だよ」

休日、紅は時々範虎のケーキ屋に訪れてはショートケーキを食べに来る。
上下ジャージ姿で毎回仕事の愚痴や怠け言葉を重ねてダラダラしている。

「何だよーこれでも俺はお客様だぞ〜感謝しろブラザーよ…モグモグ」

「ショートケーキ1つで。何言ってるんだよ!他のお客さんに迷惑だろー」

「ん〜?わかったわかった…厳しいなブラザーは。じゃあおやすみなさい…」

「って兄さん!…寝てるよ」

そして毎回寝てしまう紅に布団をかけるのが範虎の日課になっていた。

「全く…兄さんにもいい人ができればしょっちゅううちの店に来ることもないだろうに…ん?何か臭い?」

店の中が少し焦げ臭いがした。
「範虎ー!何か臭いよ〜?」
「ヤバい!スポンジケーキを作っている途中だった!!」

範虎は紅に布団をかけると、料理場に急いだ。

「いらっしゃいませー」

その時二人の着物と袴姿をした女性客が二人入って来た。

「ねー何食べる?」

「んー?やっぱりチーズケーキとチョコケーキでしょー!」

「私はどうしようかな?ショートケーキと抹茶ケーキかな」

二人の女性客に幸奈が接客する。
「いらっしゃいませ。あら?今日は大学の卒業式ですか?おめでとうございます」

「ありがとうございます!そうなんですよ!卒業式だったんです!」

紅は卒業生の女性の声に渋々ながら目を覚ました。

(…若い者は元気で何より)

「私たちあとで石原弁護士のところに行こうと思ってるんですー」

(ん?…石原…弁護士?)

「楽しみだよねー!可愛いね?とか言われたい!そのために今日メイク頑張って来たんだよね!」

「へぇー。石原弁護士に会いにいくんですか?噂話できいたんですけど、人気で会うの大変みたいですね」

幸奈は自分が親戚関係であることを言わずに噂話にした。本当は梨央本人から聞いたことである。
紅は梨央の話を聴きたくなかったのでどこから出したのか耳栓を耳に着け、聴かないようにした。

「兄さん…いつまで寝てんの?」

「やぁ弟よ!スポンジケーキは無事だった?」

「無事でした!兄さんいつまでいる気?」

「ん?〜気がゆくままに〜♪」
「歌ってるし…」

紅は寝転んだままゴロゴロ転がり始めた。
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