お題

□黄昏
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窓際、頬杖をついてぼんやりと空を眺める。
黄昏って、黄色いわけじゃないのに、とか暫くすれば忘れるようなことを考えながら。
前髪が風に揺られて、少し鬱陶しい。
両目で見れたら、この景色は美しいのだろうか、とさして意味もなく思い笑う。
ゆっくりと過ぎていく時を感じながら、膝へ目を向ける。
気持良さそうに眠る青年の姿に目を細めると、明るい色の髪にそっと指を通す。
今誰かがこの部屋に来たら、この状況をどう弁解しようか、とそんな考えもよぎる。
けれど、彼を起こそうとは思わない。
膝の上の温もりと重みが心地よくて、自分も眠ってしまいそうになる。
まぁたまにはいいか、と目を閉じて眠気に従ってみる。
もしかしたら、彼と同じ夢が観れるかもしれない、なんて思いながら。





     END




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