お題

□見えない眼
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何を考えているのか、わからないから気になってしまうのだろうか。
それとも、ただ恋しいだけなのか。

「なーに悩んでんのよ、らしくないわよ?」
「なぁ…すごいドキドキして相手のこと知りたくなるんて、なんでやろ…」
「ふぅん…あんたもようやく恋したわけね」

こともなげに言ってのける柳宿に翼宿は思い切り柱に頭をぶつけてしまった。

「なっ恋てそんなん…」
「で?相手は誰よ?まさか、美朱…!?」

やっぱり…と口を手で押さえる柳宿を見て、翼宿は眼の前にいるのが本当に幽霊なのかどうかを疑った。

じれたように腕を組んだ柳宿にうながされぽつぽつと語り始める。

「美朱やなくて…井宿、最近井宿見るとな…なんや、落ちつかんねん…」

美朱の時よりも、とうつむきながら話す翼宿を見つめ、柳宿は悟すように

「…恋ってね、そういうものよ」

わかったような、わからないような、複雑な表情で黙りこむ翼宿から、柳宿は外の景色へと目を移した。






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