過去拍手
□できかけの想い
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今は国語の授業中。
瞼が重くて、睡眠欲との
せめぎあい。
銀八せんせーは
教科書をやる気なく
読んでいる。
この物語は
叶わぬ恋の切ない話
だけど、あれ、
登場人物のなまえ、
あたしと銀八先生…?
《もう、逢えないんだね》
そんなの嫌――――
ぽすん
頭に軽い教科書の衝撃。
「こぉーら、口からも目からも何か出ちゃってますよ〜」
――――夢だった。
気づけばあたしは
睡魔に敗北していた様で
よだれと涙。
こんな夢見るなんて、
なんだか悔しいわ。
でも、また逢えて
ほっとした。
まだできかけの
この想いは
(消すには早すぎるでしょう)