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□【二人の関係。】
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──‥この世界は辛い事ばかりですから。






猫を見るとそれを思い出すのは何故だろう。
昔々のちょっとした思い出話。





*



その日、部屋で書類を片付けていると、仕事を済ませたらしい零が何やら抱えて持ってきた。


「どしたの?」
「…仕事中、ターゲットの攻撃に巻き込まれてしまって‥」
「巻き込また‥って、怪我したの?!」


慌てて椅子から立ち上がって零の方へ寄れば、零は困ったように抱えているモノを見て。


「私じゃなくて、猫が」


淡々とそう言って、俺に差し出されたモノは血に染まった小さな仔猫。
出血原因はお腹にある大きな切り傷。

治せばすぐ治る傷だが、仔猫は既に息絶えていた。


「‥ん〜‥生き返るかな‥」




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