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□Enmity
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*T*
「水紗綴芽…」
やっと見つけた、仇。
────コード零。
「………流石に、夜は冷えますねぇ」
チェインでの仕事終わり。
なんとなく夜空を見上げながら綴芽は家へと歩を進めていた。
煌めく星が小さくて、夜独特の冷たい風が自然と心を穏やかにする。
「!?」
そんな中、一瞬、おぞましい殺気を感じて思わず後ろを振り向くと黒い影があった。
「…誰ですか?」
「水紗綴芽…いや、コード零。」
「…………人違いでは?」
忌まわしい昔の名称に、綴芽の顔は瞬時に無表情へと変わった。