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□夕焼け色の中で
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遊び疲れてうとうとしている我が子を背負い、傾いていく夕陽を横目に歩いていた時のこと。
角を曲がった所で、おそらくは買い物帰りなのだろう『彼』と、その義弟に出くわした。
【夕焼け色の中で。】
「よぉ」
「あ……どうも」
一瞬お互い軽く眼を見開いてから挨拶を交わす。
ゴジラはひょいっ、と片手を挙げ、ガメラはぺこりと会釈した。
一瞬遅れて並んで歩いていた彼の義弟、トトもぴょこんと頭を下げる。
お散歩ですか、まあそんなとこだ、などと言葉を交わしてから、それじゃあまたと、再びすたすたと逆方向に向かって歩き出した。