捧げ物
□雨降って霧深まる
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ニコ
クロームは鏡の前にたたずんていた
「ボス・・・・・」
別に彼を信用していないわけではない、けれども彼女の笑顔を真っ赤になって照れていた彼を思い出すと
私は鏡の前に立っていた
嫉妬というのなのだろうか・・・・自分にはないあの女の子の屈託のない笑顔を思い出すと、あの時の彼の顔を思い出すといてもたってもいられなかったのだ
「笑顔か・・・・・」
ニコ
何度練習しても自分で納得できる笑顔になれない
そもそも自分には笑顔は向いていないのではないかと思ってしまう
「っく・・・・・」
涙で顔が歪む・・・・笑顔とは程遠い顔になっていく・・・・
そして彼に対する嫉妬心も深まっていく
「・・・・・・・」
もやもやした気持ちになったクロームは部屋を抜け出した
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