宝
□君には甘い
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あるよく晴れた土曜日、恭弥は明後日に迫ったレポートの提出に追われていた。特にすることがない了平は、それを2時間ばかり眺めていた。
「まだ、終わらないのか?」
「んー…あと2枚目…」
集中しているのか、顔を上げずにペンを走らせたまま答えた。
すると、了平は恭弥の後ろに回り腰のあたりに抱きついた。
「…暇だ」
「……もうちょっとで終わるから…」
恭弥は余程集中しているのか、了平を軽くあしらいペンを動かす手を止めない。
了平は構ってくれない恭弥に痺れを切らし、目の前に無防備に晒け出された項に吸い付いた。
「っ…何?」
「ん…俺のことは気にしなくて良いから」
「そんなこと言ったって…」
体をビクつかせ恭弥は身を捩らせながらも、けして嫌とは言わずに再びペンを持つが、了平の愛撫はだんだんとひどくなっていく。
相変わらず唇と舌で項や首筋を舐めあげ、腰に回された腕は右手は服の中に、左手は太ももを卑しく撫で上げていた。
恭弥は触れる程度の快感震えながら、ペンを机に転がすと潤んだ瞳で了平を振り返った。