文
□搭Aり道
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「寒い……」
僕は学校からの道を一人で歩いていた。
いつもは了平が一緒なんだけど……つまらないことでケンカをしてしまい……今日は一人でこの道を歩いている。
原因は多分僕が悪かったんだと……思う。でも謝ってなんかやらない!!だって僕がいるのにクラスの女子にベタベタされても嫌な顔一つしないし……恋人としては嫌な気分になるのは当然じゃない?
その事を了平に問い詰めたら「そんなこと気にしておったのか」って言われて無性に腹が立ったからトンファーで思いっきり殴ってきた。で今に至る。あっダメだ……涙出そう。
「ヒバリ―どうしたんだよ一人で」
突然後ろから山本武が声をかけてきた。
以前からあの草食動物達と群れてるかと思えば最近やたらと絡んできて正直今一番会いたくない相手だ。
「別に……君には関係ないでしょ」
「そんなつれないこと言うなって。笹川兄とケンカでもしたのか?」
「!!………別に」
なんでこいつはこんなときだけやたら鋭いんだろう……
「やっぱり、雲雀もあんな人やめて俺にしとけばいいのに。」
ちょっと肩に腕回さないでよ。咬み殺すよ
僕がトンファーに手をかけようとしたら突然腕をひかれ、気がついたら、誰かの腕の中にいた。顔を上げてみると息を切らした了平がいて、山本を睨みつけていた。
「すまんな山本。雲雀だけは譲れんのだ」
「………ちぇ。しょうがないっすねー。でも次雲雀を泣かしたら、その時は遠慮しませんからね」
そう言って山本は一人先を行ってしまった。
了平に目を向けてみると、恥ずかしそうに、でも悔しそうな表情をしていた。
「雲雀にあぁゆう風に触れていいのは俺だけだ」
そうして少し照れながらそんなことを口にしていた。
「……僕の気持ちわかった?」
「あぁ……」
「了平にあぁゆう風に触っていいのも僕だけなんだからね」
そう言って了平の頬に唇を寄せた。
了平は突然の僕の行動に驚いていだけど僕はかまわず了平の手を取り歩き始めた。
「僕、寒いんだから暖めてよね」
それから二人でいつもの帰り道を並んで歩いた。
END