FF7 SHORT DREAM SIDE・R

□MIX LEMONed JELLY
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積もりはしないが未だ吹雪いたりする2月上旬。
全体的に浮かれまくったピンクムード全開な会社に来てみれば、砂糖にでも群がる蟻の如く俺を囲む女子社員。



「レノさん、これ貰って下さい!」



気合いが入ったラッピングの箱を胸元に押し付けられて思わず受け取ってしまう。
鼻を掠める甘ったるい匂いに目眩を覚えたがそこはタークスのエース、ばっちり営業スマイルで次々と渡される箱を受け取ってエレベーターに乗り込んだ。

途端に零れる溜め息。

甘いモンは殆ど食わねぇってのに、毎年毎年うんざりしてくる。
今年もロッドたちに処分して貰っ………あ、そういやカノンがチョコ好きだっけ?



「カノン〜、これ食わねぇか、と?」



バラバラとデスクの上にチョコを落とす。
少し眺めてから小さく「…食べる」と聞こえた。

さて、余計なチョコが処分出来た所で肝心なカノンから貰うとするか、と。



「…で、カノン。愛しのレノさんにチョコは?」

「…無い。」










「………は?」

「…だってレノ、チョコ食わないだろ。」



いや、それはそーなンだけど。
え?何このオチ?!
いらねー女からはこンなに貰えてンのに、肝心な恋人からは貰えねぇなンて有りか、と。





バレンタインなんかクソ喰らえっ。


(…代わりに山崎の18年用意してみた。)

(カノン、愛してるぞ、と!!)


09.01.26.up
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