FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□年下のオトコノコ
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「俺が勝ったら…今晩付き合ってくれよ、と。」
「………は?」
飲みに、と言う事だろうか?
だったらレノにはなんのメリットもない気がするが。
…本人がいいならいい、か。
「OK、どこからでもドウゾ?」
「……………。」
瞬間、ガ…ギィンと鈍い痺れが腕を走る。
この細い体のどこにこんなチカラがあるのか。
体勢的にはわたしの方が有利。
レノより背の低いわたしは、飛び上がって上からナイト・スティックを振り下ろしている。
対するレノは下から振り上げる格好。
全体重をナイト・スティックに乗せられるわたしにだいぶ分がある筈だった。
「うぉりゃっ!」
「…っ!?」
片手で軽々とわたしを薙ぎ払う。
…やっぱり男の子だなぁ。
男と女の力の差を見せつけられて、なんだか悔しくなってくる。
わたしも、男の子に産まれてたら…レノみたいになれたかなぁ?
女である、と言う事実はタークスであればある程、残酷にチカラのなさを思い知らされる。
任務に男女差はないし上司たちも分け隔てないが、いざ戦闘になればレノやルードに頼らなければならない場面も多々あって。
それが嫌なワケじゃないけど、なんだか足を引っ張ってるみたいで後味が悪い。
「…また考え事か、と?今日は随分余裕だな、と!!」
「…っ!」
死角から唸りを上げて来るナイト・スティックを辛うじて防ぐ。
レノは左利きだから攻撃が死角になりやすい。
(強くなったなぁ…。)
タークス入ったばかりの頃は、ネクタイの結び方も知らなかったのに。
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