FF7 SHORT DREAM SIDE・R

□らぶりーきゃっと。
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「どぅぞー、お試し下さぁいvV」



ガラにもなく思わず受け取ってしまったのは、出勤途中の未だ寝惚けた頭だったせいか。

駐車場にバイクを停め、このクソ寒い中やっぱバイクはキツい車で来りゃよかったと自分の選択ミスを呪いながらとっととロビーに入ろうとエントランスまで来たらミニスカのおねーちゃんに呼び止められた。
寒い中膝上20cmなンてご苦労な事だとコートも着てない女に軽く同情してたら、『試供品』と書かれた小さな包みを手渡される。

…何だ、これ?

3cm四方の銀色の紙包み、やけに軽い。
下の方に小さく社名が書かれていた…あ、ウチの会社じゃん。
取り敢えずスラックスのポケットに無造作に突っ込み、肩を竦めて足早にロビーに入ると受付嬢の声。

あぁ…暖けぇ…。
生き返るぞ、と。

雪(滅多に降らねぇし積もんねぇけど)はまだとは言え、この街は海が近い所為か潮風がキツい。
日中はまだいいが、朝晩ともなると身を切るような冷たい風が吹く。



…そンな中、迂闊にもバイクかっ飛ばして来た俺って……………………………………………馬鹿?



最近はいつも車なのだが、何せ今日は愛しのお姫様が休み。
1人の通勤だし…なんて軽く考えて、車出すのも少々面倒だといつもの黒スーツのジャケット全開で乗ったらその寒いコト寒いコト!!

さっさとオフィス行って熱いコーヒーでも飲まなきゃやってらンねぇぞ、と。

会社自慢の高速エレベーターをまだかまだかと待ち侘びて、やっと1Fでドアを開けた箱に俺は一目散に飛び乗った。




















独り暮らしの部屋の窓から明かりが零れているのを見ると、なんだかホッとするのはなぜなのか。



『今日、カノン休みだから晩ご飯作りに行ってあげるにょvV』



昨夜帰ってから1時間程長電話してたら、「おやすみ」を言う前にカノンがそンな事を言った。
確か、夜中の3時過ぎ。

任務が終わって部屋に帰って時計を見たら既に3時近かった。
カノンの声を聞きたかったが、寝てるだろうし起こすの可哀想で電話じゃなくてメールにした。





『今、任務終わって帰った。おやすみ。』





それだけの、短いメール。
携帯閉じてテーブルに置いたら急にブルって、慌てて開いたらカノンだった。


『旦那っ、お疲れ様ぁ〜(´ω`)。』



間延びした彼女の声に少々気が抜けた。
元々猫なカノンは朝が苦手で、そう言えば夜型だったっけ…なんて電話中に思い出した。
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