FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□鳥籠〜CAGE〜
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………いい女だ。
何より紅い瞳が珍しい。
美しく儚気で庇護欲を掻き立てられると同時に、目茶苦茶に壊して…汚してしまいたくなる。
独占欲が、頭をもたげた。
元より欲しいモノは全て、何をしても手に入れてきたルーファウスだ。
「あの女…いくらなら私に譲る?」
「…は?」
顔を皺だらけにして笑っていた組長は、ポカンとくちに酒を含みかけて止まった。
「あの紅い目の女…彼女をいくらなら手放すかと訊いているのだが。」
人肌に温められた日本酒を一口飲んで、ルーファウスは射すように組長を見据えた。
カネなら腐る程ある。
男の言い値を出しても構わない。
「しかしっ…あの女は…。」
「1千万出そう、足りないか?」
今のご時世、ヤクザが資金繰りに必死になっているのは知っている。
女の借金がいくらかは知らないが、どうせヤクザと言う立場を利用して二束三文で買い叩いたのだろう。
「レノ。」
「はいよ、と。」
ジュラルミン・ケースが滑るように部屋に入れられる。
開けると中にはギッシリと現金が詰まっていて、ルーファウスは帯封のついた束を10個テーブルに置いた。