FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□鳥籠〜CAGE〜
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「…彼女は?」
「あぁ…組長のコレですよ。」
コレ、と男は小指を立てる。
全く、品のない表現の仕方だ。
やはり所詮ヤクザはヤクザか…。
「借金返せなくて風俗売り飛ばされかけた所を、組長がたまたま…。」
ここの組長は70を越えた歳の筈。
女はどう見ても20代前半。
あのダブついた脂肪の塊にあの女は毎晩抱かれているのかと思うと、他人事ながら吐き気と嫌悪感を覚えた。
「……………。」
ただ、ぼんやりと座る女。
白い髪と白い肌。
何よりも目を惹くのは、宝石のような紅い瞳―――。
「社長、どーしたンですか、と?」
「ん…あぁ。」
部下に促されて客間に入る。
それを確認したその紅い髪の男が障子の向こうの廊下に座る影が見えた。
彼の位置からなら………彼女がよく見えるだろう。
「レノ…。」
「なんですか、と。」
「………いや、なんでもない。」
「?」
彼女は何をしている?なんて、訊いてどうするのか。
運ばれて来る料理をぼんやりと見ながら、ルーファウスは女を想う。