FF7 SHORT DREAM SIDE・R

□FLAME
2ページ/10ページ






いつも、部屋の隅に蹲っている子供だった。





体は痣だらけ。

ロクに食わせて貰えないから痩せ細る一方。

水だけで2、3日過ごすのなんて当たり前。





母親は毎日違う男と寝ては僅かなカネを貰い、酒とクスリに溺れてた。










『あの男に、そっくり。』










母親は俺を見る度に、憎らし気に吐き捨てる。



俺はレイプされて出来た子らしい。

母親が妊娠に気づいた頃にはもう遅くて、堕せなかったし堕すカネなんて勿論あるワケがなかった。





髪の色は母親似、燃えるような紅。

瞳の色は父親似、凍えるような蒼。





母親に愛されず、疎まれるだけの子供は毎日毎日、殴られて蹴られて。










『許して』
(悪い事なンて、してないのに。)





















『ごめんなさい』
(だから、何にもしてないっての!)





















『やめて』
(ホントにな。)










しか、言えない弱い子供。










許される事も、やめて貰う事もできないのに。



無意味な言葉をただ繰り返すだけの、無力な子供だった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ