FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□FLAME
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いつも、部屋の隅に蹲っている子供だった。
体は痣だらけ。
ロクに食わせて貰えないから痩せ細る一方。
水だけで2、3日過ごすのなんて当たり前。
母親は毎日違う男と寝ては僅かなカネを貰い、酒とクスリに溺れてた。
『あの男に、そっくり。』
母親は俺を見る度に、憎らし気に吐き捨てる。
俺はレイプされて出来た子らしい。
母親が妊娠に気づいた頃にはもう遅くて、堕せなかったし堕すカネなんて勿論あるワケがなかった。
髪の色は母親似、燃えるような紅。
瞳の色は父親似、凍えるような蒼。
母親に愛されず、疎まれるだけの子供は毎日毎日、殴られて蹴られて。
『許して』
(悪い事なンて、してないのに。)
と
『ごめんなさい』
(だから、何にもしてないっての!)
と
『やめて』
(ホントにな。)
しか、言えない弱い子供。
許される事も、やめて貰う事もできないのに。
無意味な言葉をただ繰り返すだけの、無力な子供だった。