婆裟羅 長篇 夢

□それが、猿飛さんチの日常。
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出会い系サイトで巡り会った、俺様の運命のヒト。
所詮は飼い主と犬、愛し愛され…なんて望んじゃいけないんだと諦めてたのに―――俺様、結婚しちゃいました☆




















「ね、かのんさん…俺様、新郎なのに何で裸で首輪?!



結婚式当日、30過ぎてんだから絶対ウェディング・ドレスなんか着ないと最後まで駄々を捏ねていたかのんさんを何とか騙して花嫁姿にさせたはいいが、目を据わらかしてニヤリと嫌な笑顔のかのんさんに俺様が着ていた白いタキシードはさくさく脱がされた。

そして付けられたのは首輪、黒い首輪。

あれ?可笑しくね?今日は結婚式だよね?結婚式だ・よ・ね?!



「わたしが嫌がる事してタダで済むと思ってんの?



あぁぁぁあああああっ!!!!!
何その無駄に爽やかな笑顔!!
写メっときたい!!!!!

……てか、凄い怒ってる!
極殺モード入ってる!!



「だってかのんさん、一生に1度の事なんだよ?女の子の憧れだって言うし!」

「わたしは憧れないし、こんなモン着たいとも思わない。」

「でもっ…。」

「でも、じゃない馬鹿犬。その格好で四つん這いで披露宴会場練り歩いて貰うから。」

ごめんなさいぃぃぃいいいいっ!!!!!もう勝手な事しないから許して!今日は会社の人も来るの、沢山友だち来るの!!」

「わたしの知ったこっちゃないわ。

「…だっ…皆に見せ、たかったんだも…俺様っの、奥さん…こ、なっ…綺麗な、だよってぇ…ぅくっ。」



思わずめそめそ泣いてたら、かのんさん溜め息。

嗚呼…ご主人様にそんな顔させるなんて、俺様なんてイケナイわんこ!



「…解ったわよ。さっさと着なさい。」




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