婆裟羅 短篇 夢
□犬も喰わない何とやら…
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薄い純白の寝間着1枚なお姫さんを脱がすのは簡単簡単♪
行灯の仄暗い明かりに照らされた体はやけに色っぽくて、俺様思わずむしゃぶりつくように口付けちゃった。
散々あちこち舐め回して舐められて、いよいよと言う時。
お姫さんの腰をがっつり捕まえて引き寄せようとして、俺様は気付かなきゃいい事に気付いてついつい余計な事を言ってしまった。
「あれ…。かのんちゃん…太った?」
…これからイタそうって時に言う台詞じゃないよねぇ。
案の定、機嫌を悪くしたお姫さんにバッチ―――ン!!とほっぺた叩かれて、その後は幾ら宥めても口すら利いて貰えなくて。
「…あっそ、じゃあいいよ。何時までもそうやって拗ねてなさい。」
なんて俺様も売り言葉に買い言葉しちゃって、結局この有り様。
もう、あれから3日も口利いてない…。
機嫌悪いのかと思えば、そうでも無いんだよね。
女中さんや奥仕えの人たち、大将や旦那とは楽しそうに話してる。
俺様だけ、無視。
完全にシカト。
てゆーか、存在そのモノを無視。
まるで居ない人扱い。
俺様を挟んで旦那と話ししてんのに、会話に入っても俺様がいないかのように話すお姫さん。
大将も旦那も何だか気不味そうな顔してるけど、何せ本人が至って普通な態度で穏やかなモノだから何も言えない(…ウチは男が弱いなぁ)。
「…佐助。」
「何ですか、大将…。」
「いい加減、仲直りせんか。儂の胃に穴が開きそうじゃわい。」
「……………。」
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