FF7 SHORT DREAM SIDE・L

□honey!honey!honey!
2ページ/10ページ


仕方ない。
こんな事はしょっちゅうで、レジェンド以下レノまで宝条の玩具にされるのは度々あるのだ。
未だ1度も餌食になった事のない後輩たちには驚く事だろうが、レノたちには日常過ぎて箸にもかからない。

それよりも今は目の前の書類の山を、少しでも崩さねば…。
今日は初日、徹夜で会社にお泊まりは仕方ないとしても2〜3日で終わらせてしまいたい。
他人なんかに構ってる暇はないのである。
哀れ、死神。




















てろりとした蛍光ピンク。

宝条のラボに来たはいいが、目の前のビーカーに流石の死神も顔を引き擦らせた。



…これ、マジで飲みモン?



どう見たってくちに入れていい色じゃない。
確かにこんな色のカラフルなチョコやゼリービーンズはあるが、見る度に絶対体に悪いだろうと思う。
否、体に悪い。
なんせ添加物や着色料バリバリだ。



「さ、飲みたまえ。遠慮などしなくていい。」

「…してねぇよ。」



遠慮して飲まないんじゃない。
飲みたくないんじゃ、ボケ。



「命に関わったりとかは…。」

「興奮剤だと言っただろう、死にはしない。」

「……………。」



くそぅ。
選りにも選って、女連れ込むトコを宝条なんかに見られるとは。
しかも証拠?
タークス最強なんて謳われてるのに、気付かないなんて何やってたのオレ。
そんな切羽詰まってた?



(あー、詰まってたわ…。)



思い返すも切ない。

あの時は恋人のカノンが生理で手が出せず、しかし甘く自分の暗い部分を擽る鉄の匂いに欲情しかけてた。
だというのに生理が終わった途端にカノンはレノとウータイへ、自分は後輩3人とアイシクルロッジ。
帰って来たら来たでカノンが脱走ソルジャーの討伐へ、自分はソルジャーのスカウト。
更に更に終われば大量虐殺が待っていて、とにかく気が高ぶっていた。
カノンを待つ事も出来ず、適当に捕まえた女に迫れば嫌がられる所か体を擦り寄せてきたのでこれまた適当に非常階段に引っ張り込んだ。



「早く飲みたまえ、時間が勿体ない。」



ホレホレと急かす宝条に、カノンが秘書との蜜事を知らないと思ってるレジェンドは飲むしかなかった。



「せーのっ…!」



僅かに震える手でビーカーを掴むと、覚悟を決めて一気に飲んだ。



「………イチゴ味?」

「なんだね、別の味が良かったかね?」

「い、いやぁ…。」



どちらかといえばコーヒー味が良かったが、そうではない。
毒々しい色の割に味が普通で拍子抜け。
もっとこう、表現し難い不味さかと思っていたのに。



「即効性か?」

「30分程で効いてくるが…それを即効性と呼ぶか否かなら、私は否と答えるが。」



宝条に言わせれば、飲んでものの1分もせずに効くのが即効性だそうだ。



「30分だって即効じゃねぇか…。orz」



セックスに於いて、性欲を高める為には前戯が必要だ。
軽くアルコールを入れて風呂入って、キスしながら抱き合って…挿入までにたっぷり時間をかけるレジェンドからしてみたら、30分で効くなら即効性と言える。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ