FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□年下のオトコノコ
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お昼休みも終わり、満腹なお腹を抱えて空調がバッチリ整備された程良い温度のオフィスは、仕事中だと言うのにまったり感が漂いまくり。
向かいのデスクのロッドなんか、眠そうに目をシパシパさせていた。
「カノン!」
不意に開いたドアから勢い良く飛び込んで来た声に、ロッドがビクン!と体を大きく震わせる。
入って来たのは、レノ。
わたしの後輩で6つ下の、最年少エース。
「じゃ〜ん!オーディンのマテリアだぞっと♪」
「アンタ…そんな物何処で…?」
オーディンと言えば、育てれば相手を一撃で倒せるレアな召喚マテリアだ。
「今日の任務中に手に入れたンだぞ、と!―――つーワケでカノン、勝負だっ!!」
目をキラキラと輝かせて子供みたいに嬉しそうなレノに、こいつ確か今年で27だよなぁ…なんて思い出した。
「アンタも懲りないわね…。」
いつの頃からか始まった、わたしとレノの勝負。
初めは物なんて賭けてなかったんだけど、余りにもレノが弱っちくて「つまらない」とわたしがぼやいたのがキッカケで賭けるようになった。
仮にもわたしは女だてらに『エース』、そしてタークスに入ったレノの教育系。
負ける筈がなかった。
そもそもこの勝負、元はと言えばレノの些細なプライドから始まった。
『女に負けるなンて有り得ねぇぞ、と!!』
新人タークスとして訓練中、あっさりとわたしに捻伏せられてしまったレノは懸命に藻掻きながら喚いた。
納得いかなかったらしく、何度も再戦しては叩きのめされ…の繰り返し。
『わたしに勝てたら、ディナー奢ったげる。なんでも、好きなモノ。』
「ホントだな!?」ってトレーニング・ルームの床に転がってた体を起こしたレノが要求してきたのは、高級フレンチのレストランだった。
ランチすらお1人様3万ギルは取られる所。
少し早まったか?なんて焦りもしたが、結局わたしの勝ち。
その夜、レノは八番街の夜間警備で一緒のルードと、オフィスで寂しくコンビニ弁当食べてたっけ…。