FF7 SHORT DREAM SIDE・R

□鳥籠〜CAGE〜
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シトシトと降る雨は音もなく立派な日本庭園を濡らしていた。
若干湿り気を帯たピカピカな廊下を流行らないピンストライプの白のスーツを着たガラの悪い男に案内されて、ルーファウスは客間へと足を運ぶ。





全く、面倒な事だ…。





神羅カンパニーという会社を成長させるために、父親の代から付き合いのある余り合法的とは言えない組織―――平たく言えばヤクザの組長との定期的な会食。

今日はその日だった。

ちから関係的にはルーファウスの方が上で、権力も地位も金もある。
こんなヤクザ如き潰そうと思えばいつだって簡単に捻り潰せるが、そうしないのはまだ利用価値があるからだ。



(汚い仕事をさせるには丁度いい………ん?)



ふと、ルーファウスは足を止めた。

いつもは閉まっている客間の向かいの部屋の障子が少し開いていて、中で何か…赤いモノが動いたような―――?



よくよく目を凝らして見てみれば、部屋の真ん中に赤い着物をだらしなく着崩した女がポツンと座っていた。



「……………。」

「どうなさいやした、若社長?」



組員が怪訝そうな顔で訊く。
確かこの男は次期若頭と目される男だったか?
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