FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□D.O.D(DRINK OR DIE)
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「カンパーイ!!」
ガチンと勢い良くぶつかり合って泡を散らす大ジョッキが十数個…ミッドガル某所にある有名居酒屋チェーン店の座敷では、珍しく全タークス出席で飲み会が開かれていた。
事の発端は我らが赤毛のエース様、レノ。
「新人入ったンだし、都合つけて歓迎会でもしませンか、と?」
…とツォンに申し入れたのは新人―――カノンがタークスに入ってから既に数ヵ月が過ぎた頃だった。
タークスは忙しい。
新人の歓迎会どころか下手をすると1ヵ月無休で働かなければならない程に。
それでも最近はアバランチなどの反神羅組織が大人しくしているお陰で、大分時間に余裕が出来た。
別にそんな事して貰わなくても…と断ろうとしたカノンの口を慌てて押さえてツォンに訴えると。
「…それもそうだな。急ぎの任務もない事だし―――ふむ、皆…明日は空けておいてくれないか?」
「「「了解。」」」
(―――よっしゃあぁぁぁっ!!!)
レノは思わず心の中でガッツポーズ。
何度誘っても個人的には飲みに行かないカノンも、流石にタークス全員参加となればNOとは言えまい。
(酔わせて…お持ち帰りだな、と♪)
密かにレノはほくそ笑む。
飲みに誘えば断られ、甘い台詞もサラリと聞き流し、得意の意味有り気な熱い視線も全く通用しないこの新人にレノは苛立っていた。