HIDE YOUR FACE
□HAPPINESSSSSSSS
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かのんがスカウトされた、しかもモデルに。
「いーじゃん。かのん、可愛いし。バイトしてみたいって言ってんでしょ?丁度良くね?」
「あのねぇ、イナちゃん…かのんはバイトなんかしなくていいの!ちゃんと小遣いやってるし、おウチにいて欲しいんだよっ。」
「そんな…ペットじゃないんだから。かのんだって19でしょ?働きたいって思うのは可笑しい事じゃないでしょ。」
「駄目、絶っっ対ダメ!!大体モデルなんてヤバいじゃんっ。」
カメラマンに襲われたり、強制させられたり。
俺らだって撮影ん時、滅多矢鱈に触ってくるカメラマンとかアシスタントとかいるのに、あんな可愛いかのんがなんにもされないワケないじゃん!!
「だって、ちゃんとした会社なんでしょ?」
「会社はちゃんとしてても、そこで働くスタッフが紳士的とは限んない!!」
「はぁ…お前、過保護過ぎ。」
ドコが!?←
過保護じゃないでしょ、彼氏として当然の心配してるだけっしょ?!
シコシコと稲田くんと2人で仕事部屋に籠もって曲作りしてたら、ドタバタと床を伝わる振動。
ノックもなく開けられたドアから雪崩れ込んで来たのはかのん―――と、見知らぬ男。
…え?ちょっ、待て待て待て。
なんで腕組んでんの、それしていい男は俺だけなんだけど?!
「ヒデ、この人、マグノリアの人!」
「だから何?!」
マグノリア―――かのんをスカウトした会社。
世界的にも有名で、ロスに本社がある。
「この人が責任持って、かのんを見張っててくれるって!」
「見張るって…見張らなきゃなんないのはかのんじゃなくて、その人の会社のスタッフ!」
「あの…お預かりしたお嬢さんには何事もないよう、万全を「当然です!!!!!」…はい。」
何当たり前の事言ってんの?!
「ヒデェ…。」
うっ…そんなうるうるした目で見るなんて卑怯だろ。
「〜〜〜っ。」
「も、勿論、ご自宅とスタジオの送り迎えもさせて頂きマス。」
「秀人…。」
うぅう…だって、でも、う゛〜!!
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