HIDE YOUR FACE
□Stupid
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「無理だって…。」
「見たい。」
「俺の歳、考えてよ?」
「まだ現役でしょっ。」
「ソレとコレとは話が別!」
あぁ、もう!
なんでこんな事になっちゃったんだか。
ベッドの上で睨み合う事、暫し…。
かのんチャン、秀さん最近の若い子にゃ着いてけねーですよ。
じゃーん!
なんて効果音を付けながら、稲田くんがテーブルに出したのは肌も露わに色気を振り撒く女がプリントされたパッケージ。
所謂、アダルトDVD。
『―――で?』
ぶっちゃけ、興味ない。
だって俺には彼女がいる。
何が嬉しくて触れもしないモンで虚しく自慰なんぞせにゃあかんのじゃ。
『俺んチ、今DVDプレーヤー壊れてんだよ。』
『だから?!』
『ヒデ、貸してよ。観てもいいからさぁ。』
余所んチ行って観ろよ、と言う俺の意見は断固却下。
かくして、ウチのリビングのテレビから女の態とらしい喘ぎ声が響く事になったのだが…。
3本目。
男が女に好き勝手に責められる内容。
いい加減食傷気味だった俺は煙草に火を点けようとテレビから視線を外した。
『『……………。』』
咥えた煙草がポロリとチカラなく落ちる。
『………かのんチャン、いつから其処に?』
『…2本目から。』
『……………(-_-;)。』
気付かなかった!
てか何普通に観てるのっ。
『ねー、秀ちゃん。』
『…な、何?!』
なんでこんなの観てるの?とか、男ってサイテー!とか言われても困る。
借りて来たのは稲田くんで、俺は此処でコーヒー飲んでるだけなんだから。
『あれ、見たい。』
『…へ?』
あれ、とかのんが示したのはテレビ。
男がフェラチオされた挙げ句、勢いよく射精したシーンが映っている。
『あんなにビュッて出るなら見たい。』
『……………。』
お目々きらっきらさせちゃって。
『無理…俺がいくつか知ってんでしょ。若い頃なら飛ぶかもだけど、もうそんな勢いないって。』
『見ーたーいー!!』
『かのんちゃあん…。orz』
見たい、無理、の攻防戦は結局かのんの勝利。
畜生、どうせ俺はこいつに弱いさ!
あれよあれよという間に稲田くんを帰してベッドでスタンバるかのん。
お前、普段のセックスはそんなに積極的じゃねぇクセに。
『秀、早く。』
ペシペシとベッドを叩きながら催促するかのんに、この時ばかりは上手い言い訳で回避できないかと思った…。
仰向けに寝かせられて、股間を見つめられる。
あぁ、なんてシュールな絵面…。orz
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