FINAL FANTSY 7

□MISERY
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………今朝、母が死んだ。











元々体の丈夫な人ではなかったし、私を産んでからと言うもの体調が優れずに伏せっている事が多かった。



弔いの鐘が、殺意を覚える程の澄み切った空に響いていた。



こんな時ですら仕事を優先させる父の姿は当然、黒い群れの中には存在しなかった。

………解っている。

神羅カンパニーという会社を守らねばならない父の立場は。

その肩に何百という社員とその家族の生活が掛っている。



神羅製作所だった頃に魔晄を電力エネルギーに変換して使用できる方法を開発、特許を取って魔晄エネルギー市場を独占した神羅カンパニーは急成長を遂げて今や世界一の大企業となったがその急成長が仇となり、急激に大きくなった会社についていけなかった部分が隙となってライバル会社に様々な機会を与えてしまっていた。
その綻びを繕う為に父は寝る間も惜しんで仕事に没頭している。

綺麗事だけでは済まないのがビジネスの世界。

父は『タークス』などという会社を守る為には何でもやる非合法な自衛集団を作り、神羅カンパニーに害なすライバル会社から人物まで徹底的に排除していた。
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