FINAL FANTSY 7
□赤猫狂走曲
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神羅カンパニー総務部調査課―――通称『タークス』。
社内でも社外でも知らぬ者がいない超エリート集団である筈の彼らこそ、実は社内一のお騒がせ迷惑集団でもあった―――…。
「レノ様のご帰還だぞっと…お?」
タークスのエースことレノが『それ』を見つけたのは、朝も早くから呼び出されて最早お昼もとっくに過ぎ、そろそろ午後のティー・タイムに雪崩れ込もうという頃だった。
薄暗い空の下で働き始めてから今まで今日は何も口にしていなかった所為か、甘党ではないレノもその芳ばしくも甘い香りに誘われてフラフラとイリーナのデスクに近付く。
(…クッキーだぞ、と。)
食べ物だと認識した途端に、ぐうぅ〜っと腹が鳴りだす。
透明なフィルムに包まれて赤いリボンで可愛らしくラッピングされたソレは、きっと今日のおやつタイムの為にイリーナが買って来たのだろう。
「少しくらい…いいよな、と。」
幸い(?)オフィスにはレノ1人だし、クッキーの数はイリーナには少々多いくらいだろう。
そうと決まれば即実行。
行動力の早さは流石タークスのスピードスター。
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