FINAL FANTSY 7

□ICAROSS
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鮮やかな、紅。





まるで血のようだと人は嫌悪の言葉を吐きつけるが、俺には―――その紅は頭上で燃える灼熱の星のように見えて。





太陽に焦がれて少しでも側に近付こうとして死んだ神話の馬鹿みたいに、ジリジリと焼き尽されそうな錯覚に捕われて尚、ソイツに手を伸ばさずにはいられなかった………。




















「…ソコまでだぞ、と。」



背後から掛けられた少しからかいを含んだ声にヒクリと肩が震えた。

振り返った先には、『紅』………。

鮮やか過ぎるその紅は、仄暗い展示スペースでも鮮烈さを失う事なく揺れていて。





「本社に正面切って侵入するなンて…いい度胸だな、と。」





ニヤリと口端を吊り上げて笑い、その男は肩でトントンとナイト・スティックを上下させていた。










すんなりと侵入できた世界一の巨大企業・神羅カンパニー本社ビル1F正面玄関左の特設展示スペース。

先日、その存在を明らかにしたばかりの最新の大型バイクが展示してある割にヤケに手薄な警備だと思ってたけど、やっぱこーゆーコトか。

バイクに身を隠すように様子を窺う。
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