婆裟羅 短篇 夢

□お兄ちゃんと、いっしょ。
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俺様んチは今時珍しい大家族。
大黒柱で一家の長・信玄(56)と母・謙信(43)は共に大会社の社長、長男・元親(23)は現在親父の会社でエンジニア、次男・慶次(20)は勝手気ままにアルバイトしながら大学生、俺様―――三男・佐助(18)と双子の長女・かすがは大学受験を終えたばかりの春から大学生、四男・元就(17)は来年受験だが既にアメリカへの留学が決まり、五男・政宗(16)はこの春高校2年生、六男・幸村(15)は今年政宗と同じ高校に無事入学が決まっている。



「さってと…。」



時計は7時10分前、そろそろ我が家のお姫様―――末っ子を起こしてあげなきゃなんない時間。

トントンと階段登って目指すは俺様の部屋。
ん?なんで俺様の部屋かって?



それは俺様と一緒に寝てるから。←



だってね、1人は嫌って夜中に泣きながら縋ってくる妹を1人で寝なさいなんて突き放せる訳ないじゃん。



「かのん?かのんちゃん、起きないと遅刻だよ?」

「…ん〜…むぅ…。」



もしょもしょとお布団から顔を出した末っ子は、どこをどうしてそんなんなったのか俺様と良く似たオレンジに近い色素の薄い茶色の髪を揺らして蜂蜜色の目をぱちぱちさせた。



「…ぉ、にー…ちゃ…おは、ょ…。」

「こらこらこら!おはようしながら寝ないのっ。」



こしこしと擦った目は開いてなくて、我が家の次女・かのん(12)は再びコテンと迷彩柄の掛け布団に丸まった―――。




















今時、田舎でも中々見なくなった10人家族。
ビッグダディよりビッグなのは、よくもまぁその細い体で次々と年子を産んだ母。
俺様とかすがん時は二卵性の双子だったし、正に母は強し。
その母が最後に産んだかのんは長男・元親と実に年の差11歳。
嗚呼、ここの管理人年の差カップル好きだな、しかも何故か11って数字が絡んでくる。



「お兄ちゃん、何むずかしい顔してるの?」

「ん?なんでもなーいよっ。」




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