婆裟羅 短篇 夢
□犬も喰わない何とやら…
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「……………。」
「……………。」
只今、俺様とお姫さんは喧嘩中です。
事の発端は至極、単純だった。
何時ものように任務を終えて、真田の旦那に報告してたら「佐助もどうだ?」なんて団子を出され、2串貰ってお姫さんの部屋に。
…夜中に甘い物食べちゃ駄目って言ったのに、もう!
それに団子は1日30本まで、って言ってあんのにソレ食べたら43本目だよね?!
夜食に団子15本って、どうなのよ旦那?
食い過ぎでしょ!
太っても知らないからね、俺様!!
…なんてぼやきながら、愛しい奥様の元へ。
俺様の愛しの奥様は武田のお姫様、つまり大将の娘。
1度は竜の旦那の側室として奥州に嫁いだお姫さんだけど、結局お互い忘れられなくて返して貰った。
一応、病気で側室の務めが果たせないのと療養の為って言う理由で。
甲斐に戻った俺様たちを待ってた大将の顔…………………………………………………………………………………………………………………………………鬼みたいだったなぁ〈遠い目〉。
切腹お手打ち覚悟で頭下げた俺様に、大将ったら爆弾発言。
そりゃ、まぁね。
一国の姫君が出戻りなんて、ねぇ?
幾ら表向きの理由があっても、人ってドコから聞きつけるか解んないじゃない?
そんなこんなで一介の戦忍にゃ有り得ない、一国のお姫様との秘密の婚儀。
…どうしよう。
俺様ってば恵まれ過ぎでしょ?!
あの甲斐の虎の義理の息子になっちゃいました☆
あくまでも、ホントに秘密に…なんだけどね。
で、今や俺様とお姫さんの愛の巣となった城の奥に(所謂、大奥って所ね)にやって来て、お姫さんと仲良く団子食べて今日は何処に行っただの下らない話しして、会話が途切れちゃったらそろそろ夜の営みの無言の合図。
布団の敷かれた御寝所(…こんなふっかふかな布団に寝られるなんて思ってなかったよ、俺様大感激!!)にお姫さん運んで恥ずかしそうにお目々潤ませてる姿にハァハァしながら帯を解く。