FF7 SHORT DREAM SIDE・L
□whiteout
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コンクリや鉄筋が冷え過ぎて割れたのである。
(万年氷原って聞いたけど…溶けるのね。)
出来ればその時期に来たかった。
クソ暑いエッジにサヨナラ出来たのは有り難いが、一転命の危険に晒される程の寒さに見舞われるとは。
タークスの過酷さに苦笑いが洩れる。
「―――どちらさん?隠れてないで出といでよ。」
不意に感じた気配に、レジェンドはそっとナイト・スティックを伸ばす。
…獣ではない、明らかに人の類。
「あら…美人さん。」
ユラリと音もなく現れた女は、酷く軽装だった。
顔立ちは恐ろしい程に整っている。
肌は雪のように白い。
「寒くないの、そんなカッコで?」
『えぇ…寒いわ。』
キン…と、凍てつくような声だった。
『寒いの…貴男、暖めて下さる?』
「ははっ。魅力的なお誘い有り難いけど、オレはあっためてあげなきゃなんない人がいんのよ。悪いけど余所あたってくんない?」
無音で近付く女に違和感と警戒。
こいつ、何者だ…?
いつから此処に居た?
少なくても洞窟に入る際、危険な獣やモンスターがいないか気配を探った。
その時には全く感じられなかったのに…。
仮にもタークス、仮にも死神なんて呼ばれる身。
実力は自他共に認めるというのに、そのレジェンドが気付けなかったとなると相当の強者という事になる。
『その女…直に死ぬわよ。捨てて置きなさい?それより私を暖めて…。』
するり、女は着物の帯を解くと全裸になった。
見事なまでの豊満な肉体は熟成された女の色気を存分に纏う。
「大胆な美人さんだこと。」
ダウンジャケットを脱いで敷き、カノンを寝かせる。
寒くて無意識に丸くなるカノンが少しでも暖まるように上からも掛けた。
「…向こう行こっか、お嬢さん。」
出来るだけカノンから離れたい。
暗にそう言えば、女は血色の悪い唇をニヤリと歪めた…。
洞窟の奥まった場所。
女の後ろを着いて行ったレジェンドは岩壁に押しつけられて唇を奪われた。
冷たい舌に、口内の熱が奪われそう。
「積極的だねぇ…男に飢えてんの?」
『あぁ…そうよ…久し振りの雄の匂いだわ…堪らない…。』
艶めかしく体を擦りつける女に、全身が凍る程の悪寒を感じる。
「誘ってくれんのは嬉しいんだけど…。」
生憎と、人外相手に盛る気はない。
「お前さん、人じゃないっしょ?」
途端、女が表情を変えた。
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