FF7 SHORT DREAM SIDE・R
□Ballad of Stray Dogs
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レノとしては、小便臭いガキ共に興味は全くない。
やはり女は28くらいから、脂が乗ってきた頃が丁度いい。
「しつもーん!センセ、彼女は?!」
学年主任が教室を出た途端、レノは女子生徒の質問責めに合う。
「身長は?」
「血液型、何型ですか?!」
「誕生日、いつ?」
「ケータイの番号とアドレス、交換しよ?!」
わいのわいの、くちを挟む隙もない。
女3人寄れば囂しい、とはよく言ったモノだ。
「タークスになれたら教えてやるぞ、と。」
にーっこり。
ばっちり営業スマイルで煙を巻くなど、小娘相手では造作もない。
しかし、レノは最近の女子高生パワーを甘く見ていた。
めげない、しょげない、諦めない。
そして周りの迷惑なんのその。
我が道を闊歩する女子高生たちは、レノの一言に我も我もと奮起するのであった…。
シャツのボタンを必要以上に外したり、ジャージの下にアンダーを着ないでの胸のチラ見せに始まり、体を密着させての『先生、教えてー』、中には出会いがしらに抱き付いたり押し倒されたり…と、遣りたい放題なアプローチにレノは疲れていた。
熟した女の体ならいざ知らず、如何に昨今の未成年の発育がよくても所詮ガキはガキ。
こう…なんというか、むっちり感が足りない。
皆、痩せ過ぎなのだ。
一見、スタイルがよく見えるが無茶なダイエットをしたのが解る。
やはり女は出るトコ出て、更に曲線で柔らかくなければ魅力がなかろう。
(…中でもコイツは特にな、と。)
射撃訓練場で練習中の生徒の中で、浮いたように目立つ女子生徒が1人。
出席番号27番―――カノン。
女子生徒の中で、唯一レノに色目を使わず、黙々と訓練に励んでいた。
最初見た時は、正直、男かと思った。
白に近いアッシュのウルフカット、申し訳程度の胸、細い手足に化粧っ気のない顔。
スカートを見て、初めて女子生徒だと認識したくらいだ。
(成績優秀、射撃はトップクラス…得意な武器は刃物、と。)
紙の上での実力だけなら問題ない。
タークスとしては申し分ないだろう。
「あ〜ん!センセ、当たんなぁいっ。」
「オマエの場合はちゃんと前見て撃たねぇから当たンねぇンだよ、と。」
教えていた女子生徒のあたまをぐり、と的の方に向けてやる。
レノばかり見ていても的に当たる筈もない。
「カノン、ちょっと来いよ、と。」
「…は、い?」
女子高生にしては低い声。
「ほい。」
「?」
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