ライトぶっく
□愛に飢えてますんで
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この醜いイライラする心はどこにぶつければいいのだろうか。
その原因である本人はまったく気付いていない。困った事に。
「ねぇ先輩。」
「ん??」
ずーっと本に夢中だった瞳が一瞬だけこちらを向いた。
だがすぐにまた本へと注がれ、俺はそんな先輩をただ不機嫌な顔で見る。
なんだよ、俺より本なわけ??一応俺ら付き合ってんのに、俺よりも楽しい本てどんな本だよ。
「ちょっと、聞いてます??」
「あー、はいはい、何??」
今度は一瞬ともこちらを向かず、ただ声だけをこっちに投げてきた。
やっべー、もう怒るというよりも落ち込んでくる。
俺は深いため息と共にベッドへ全ての体を預けた。
本に嫉妬してる時点でガキ臭いってのは充分わかってるけど…すっげぇムカつく。
俺より面白いその本も、かまってくれない先輩もマジでムカつく。
俺はいつも先輩優先にしてるつもりだ、只でさえ部活で忙しいから二人でいる時だけは二人の時間を大切にしたい。
でもそんな事思ってんのは俺だけなわけ??
あーっ!!
「赤也??」
「…」
「あーかやってばっ!!」
「うわぁ!!」
俺がうつ伏せのまま自分の枕に顔を埋めていると上から突然なまえ先輩が乗っかってきた。その衝撃は一番に俺の鼻にきたわけで潰れたらどうしてくれんだよ、と少し心配だった。
多分ずっと呼んでも振り向かない俺にしびれを気かせたのだろう。でもそれは先輩だって同じじゃん。
「あーかーやー」
「…」
「…ごめんって、もう赤也ほったらかしにしないから」
「…じゃあ条件のんでくれたら許す」
「なに??」
相変わらずせこい性格してると自覚しながら俺は勢いよく体をお越して先輩と向き合った。
「先輩からキスしてくれたら…許すっス」
こうでもしないと絶対先輩からはしてくれないから。たまにはいいじゃん??
「えぇ!!無理だよ!!」
「じゃあもういいっス」
「わ、わかったって!!」
じゃあ目閉じてよって少し顔を赤くさせながら睨んでくるもんだから俺はもう限界なわけで、ニヤける顔を抑えながら目を閉じた。
少しすると頬っぺに柔らかいものが当たる。目を開けるとさっきより真っ赤な先輩が目の前にいた。何で頬っぺ??っと少し不満だったが先輩はそれだけでもせいっぱいらしくて、俺は我慢出来ず強く抱き付いた。
「先輩マジで好き!!」
「うわ!!」
頬っぺをすりよせると先輩が凄く熱く感じた。
はぁ、何でアンタこんな可愛いんだよ。
俺は後頭部に腕を回し噛みつくようなキスをした。
愛に飢えてますんで
(赤也、いい加減離れて)
(やだ)
(あーつーいー)
6、1