ライトぶっく

□そう、それは例え話
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これはもしもの話し。
もし、明日地球が無くなってしまうとしたら、俺は何も変わらない日常をお前と過ごすだろう。

もし、お前が小さな猫なら俺はお前の周りにだけ、雨を降らす。

もし、世界が闇に包まれるとしたら、俺はずっとお前の手を握ってるだろう。

昼前の光が屋上を照らす。


暑くもなく寒くもない風とマッチし、今の時間帯は一番の昼寝スポットだった。

白い月が神秘的な光をはなって俺を真上から見ていた。

するとカンカンカンと鉄階段を急いで登る足跡が聴こえてくる、それは徐々に大きくなっていき、最後には少し錆びついた音とともに扉が開かれた。

「雅治みーっけ!!先生が雅治見つけて教室つれて来いってさ」

「ほぅ、ごくろーさん」


多分俺を探し出すのに5分ともかかっていないだろう。それぐらいこいつには俺の行動範囲が全てわかっているらしい。

「さ、早く教室戻るよ」

「まぁそう言いなさんな、お前さんも寝たら気分よくなるぜよ」

「はぁ、あのねー…」


こいつほど手玉に取りやすい奴はいないかもしれない、俺を連れ戻しに先生から使命された奴は今では俺より気持ちよさそうに大の字で寝転んでいる。

「雅治の誘惑に負けたー」

「俺のせいにしなさんな」

太陽の光が少し眩しいと言うよに手を額にひっつける。

「…」

いつも思うことがある、こいつは黙っていれば完璧なんじゃないかって…

太陽のハイライトが当たったなまえは酷く美しかった。ずっと見ていたいほどに見惚れていた。

そんな特別な感情を抱き始めたのは随分と前からだった。

今の関係を壊す事の出来ない臆病な自分に時々情けなく思う。

「ねぇ雅治しつもーん」

「なんじゃ??」

「もし明日地球が無くなるとしたらどうする??」

突然の少し変わった質問に俺は覚えがあった。

俺も考えたことがある、そう…もしもの話し…

「お前さんならどうする??」

「私はねー…」


俺は例え本当にそうなったとしても、なまえのそばを離れないだろう。


「雅治のそばにいるかな」

只単純に驚いた。それと比例するかのようになまえは平然と当たり前かの様に話しを進める。

「もしどんな事があっても私はいつも通りに雅治の横にいると思うなぁ」

微笑む顔になぜかわからないけど涙が出そうになった。


「クク…なんじゃ…」

「雅治??」






そう、それは例え話

俺達は…一緒のことを考えていたんだな。




6,7






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