Tsunayoshi× +α

□過去拍手小噺
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―ボンゴレ10代目は死んだ。

真実を聞いても、涙は出なかった。
まず、物心ついてから今まで涙というようなものは流した記憶がない。


『骸に似合うと思って』
小さな箱に入っていたのは銀の輝きを放つ髪留め一つ。
彼は自身の手で、それを僕の髪に留めた。

『よく似合うよ』
彼はそういって笑った。
―甘い男だ。
思っていても、何も口をついて出ない。


「…君は僕の標的に過ぎない」

自分に言い聞かすように呟いた。
なのにそれさえあっさりと彼は越えてきてしまう。
どこまでも翻弄されて、それでもいいといつからか思っていた。


「さあ、いきましょうか」
誰に言うわけではなく、呟いた。
10年前の自らにかけた誓いに背いているわけではないのに。
なぜこんなにも『罪』が痛いのだろうか。

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