Tsunayoshi× +α
□Favor and love
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「ねえ、綱吉くん」
「何?」
「好き」
「知ってるよ」
白蘭が短く問いを掛ければ。
綱吉は短くその答えを出す。
問う側に意味はあれども、答える側に意味があるのかは問う側ではわからない。
不安だから問う、それを何回繰り返せば求める安堵はあるのか?
「お前が心配しなくても、オレはちゃんとお前が好きだよ」
そう言って綱吉は軽く触れるようなキスをした。
『…綱吉くんはずるいや』
みっともなく染まりそうになる顔を見られないように白蘭はそっぽを向いた。
その感情を表す意味などなくていい。
意味ならいくらでも与えてくれる人が傍にいるのだから。
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