×Mukuro
□たちつくす
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『…くろ、どこ?』
放課後の屋上は静かだ。
いつもだったらそこに愛しい恋人がいるはずなのに。
『綱吉君』
美しい青髪の恋人が僕を呼んでいる。
いかなきゃ、でも君はどこに隠れているの?
「骸」
声に出してもその実体はない。
優しいオレンジ色が僕の影だけ映している。
全部僕が壊してあげるから。
骸のすべての憂いを。
だからいなくならないで。
いつも君を抱きしめられるくらい近くにいて。
自分の腕を掴む手が痛い。
それもみんな、みんな君のせい。
涙流すのも君のせいだからね。
―ねえ、夕日が黄昏の終わりを告げているよ。
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