太陽のあたる部屋
□Liquor Panic
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一日の仕事も終わり、夕食の時間。食堂にはユーリ・コンラッド・ヴォルフラム・グウェンダル・ギュンターがテーブルを囲んで食事をしていた。一見、何も変わらない日常。
だが、今日というこの日に事件は起きてしまったのだ。
いつものように食事が進む中、ひとりだけ様子が違っている者がいた。
………ユーリだ
彼はうつむいたまま食事の手が止まり、頭がゆっくりと左右に揺れ動いていた。
一番先に気付いたのは隣に座っていたコンラート。
「陛下、どうかしたんですか?気分が悪いのですか?」
コンラートが心配そうに声をかける。その声に他のみんなもユーリの異変に気付いたようだった。
「コンラートの言う通りだ。気分が悪いなら先に部屋に戻ってギーゼラに診てもらったほうがいいぞ」
「その通りです。陛下のお身体にもしもの事がありましたら、このギュンター、どうしたらいいのか…」
ヴォルフラムもギュンターも心配そうに声をかけている。グウェンダルも同意するように頷いた。
「さあ陛下、お部屋までお送り致します。立てますか?」
コンラートが側へ行き、肩に手をやった。その時…
「へ〜かってゆ〜にゃよにゃ〜、こにょ、なじゅけおやぁ〜」
そう言いながら真っ赤な顔をしたユーリがコンラートを見上げていた。
…これは、酔っている…?確か、今日の夕食は……
テーブルの上を見渡すと、グラスの中身がいつもと違っているのに気がついた。
やはりお酒だったのだ。
いつもはアルコールの入っていない飲み物がユーリに出されるのだが、今日は手違いか何かでお酒になってしまっていた。
どうやら、ユーリはそれをお酒と気づかずに一気に飲んでしまったのだろう。そしてすぐにお酒がまわってしまったのだ。
「はぁ、原因はこれか…ユーリは…かなり酔っていますね…。すみませんが、俺はこれからユーリの部屋へ連れて行きますので」
この言葉に誰もが頷いた。