太陽のあたる部屋

□時の流れるままに…
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ギュンターとの執務が終わったおれは決まってあの人の所へ行く。


「コンラッド〜キャッチボールしようぜ」

そう、おれの名付け親兼護衛兼恋人のコンラッドの所。彼も何も予定は入ってないらしく、笑顔でおれの誘いを受けてくれた。

パシッ パシッ

外に出てキャッチボールを始める。二人の周りからはボールを受ける音しかしない。いつもそうだ。何も話さなくてもボールのやりとりだけでお互いの気持ちがわかるから…

キャッチボールが一通り終わると二人で城の中を散歩する。周りに人がいない時には手を繋いで歩く。おれとしては手を繋いだ方が好きなんだけど内緒の関係だから仕方ないと理解している。でもいつかはいつでも手を繋いでいられるようにするから待っててくれな、コンラッド…

散歩の時は地球であった事、野球の事、眞魔国での事…話す事は何でも話す。どんな話でも笑顔でコンラッドは答えてくれる。この時の笑顔がおれは好きだ。この顔を見る為に散歩中にたくさんの話をする。もうコンラッドはおれの全てがわかるんじゃないかってくらい。

…いやわかって欲しいから知って欲しいからおれの全てをあんたのものにしてほしいから…

黙りこんだおれの顔を見るなりコンラッドはおれの手を握り早足で駆け出した。
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